BLUEPRINT BLUE 「Tourist」
ロンドンのバンドBLUEPRINT BLUEのデヴューアルバム。
以前奇妙なジャケットのシングル曲が気になっていてアルバムを出すと知り楽しみにしていた。彼らの紹介文にヨットロックという言葉が出てくる。ヨットロック、詳しく知らないけれどAORのジャンルのひとつ?だろうか。
そう言われるととてもロンドンの若者のバンドが出す音とも思えず、はるか昔にテートの時に車で流す用のカセットテープの中にこの曲たちが入っていても違和感はないかもしれない。しかしあのころ聴いていたいわゆるAORの曲たちのような海が似合いそうなキラキラ感はなくてもう少しいなたい感じかもしれない。軽やかでシンプルで派手さがない。日常的なインディーロックバンドという感じもする。こちらもアルバムの紹介文に出ていたけれどヨラテンゴがこの曲たちを歌っていても違和感がない。
と、さりげなくてとても好みのアルバムであるがP-VINEの日本版を買ったので清水祐也氏の解説文を読んでみて色々とわかることも出てきた。いくつかの楽曲がアイザックアシモフのSF小説を下敷きにされているということ。それを知り、和訳の歌詞を読みながらアルバムを聴くと浮かび上がってくる景色がまた違って見えた。アシモフの短編小説読みたくなってしまった。
緩くてふわふわと黄昏感漂うインスト曲 「Is There Anybody Out There?」いいなあ。
Mercury Rev「Bobbie Gentry's the Delta Sweete Revisited」
1枚のアルバムを聴くときにどんなことを思い浮かべながら聴くだろうか。曲によって自分の中から立ち上がる色々な情景。思い浮かべるものがたりであったり、記憶の中の断片であったり感情であったり肌触りであったり。
Mercury Revのこのアルバムは1960年代の女性シンガーソングライター Bobbie Gentryのアルバム 『The Delta Sweete』のリメイク・アルバムだ。Mercury Rev、実は自分の中ではどうしてもはまり切れないどっぷりと浸かりきれないアーテイストでアルバムを熱心にきいたことがなかった。
しかしこのカバーアルバムは何回も繰り返し聴いている。ボーカルにNorah Jones、Hope Sandoval (Mazzy Star)、Vashti Bunyan、Rachel Goswell (Slowdive)、Lætitia Sadier (Stereolab)、Phoebe Bridgers、Beth Orton、Carice van Houten、Margo Price、Marissa Nadler、Lucinda Williams と名だたる女性シンガーが参加している。好きなシンガーも数が多いのもその理由かもしれない。
最初の話に戻るけれど、このアルバムを聴いているとその女性シンガーたちがステージの上に次々に登場して魅了してくれるシーンを思い浮かべてしまう。客席にいる自分はゆったりと贅沢にその歌声に、演奏に身を任せている。豊かでゴージャスな時間だ。
カバーアルバムということで元のBobbie Gentryのアルバムも聴いてみた。こちらはブルージィーでいなたいかんじでこのオリジナルの感じもとても良い。
しかしここまで豊かに夢見るような世界にリメイクされているのはもちろん各ボーカリストの力もあるのだろうけれどMercury Revというバンドの力もあるのだろう。
今夜もこの豊かなステージを堪能しよう。
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Bobbie Gentry's The Delta Sweete Revisited [Analog]
- アーティスト: Mercury Rev
- 出版社/メーカー: Ptkf
- 発売日: 2019/02/08
- メディア: LP Record
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Mercury Rev feat. Norah Jones - Okolona River Bottom Band (Official Audio)
Hollow Hand 「Star Chamber」
イングランド/ブライトン拠点のインディーロックバンド Hollow Handの2018年に出されたデヴューアルバム。
ツイッターでどなたかが2018年の良く聴いたアルバムとして呟いておられたので視聴してみたら好みだった。
色々と検索してみたのだけれど全然日本語のサイトでは検索に出てこなくてあまり知られていないアーテイストなのだろうか。
CDが届いて車で結構聴いていたのでこのアルバムは慣れ親しんだ感じで馴染んでいる。ポップだけれどはじけている感じではなくてふんわりとした空気を感じさせる、心地よい。このCDを紹介されているサイトではWhitneyの名前をあげられていたけれど
よくわかる。
こういう感じのまま次作も作ってほしい。凝ったことされたらちょっと嫌だなと思うのはどうなんだろうと思うけれどそう思わせてくれる作品。
Julian Lynch 「Rat's Spit」
ウィスコン州マディソンのミュージシャン、Julian Lynchの6年ぶりのアルバム。
Julian Lynchはリアルエステイトのギターもやられているみたいですね。
このアルバムのことを知ったのはたぶんツイッターでどなたかが呟いていたからでリアルエステイトのギターというのにひっかかって聴いてみたんだと思う。それで1曲目の「Catapulting」の途中に流れてくるギターの音に惹かれてしまいCDを購入。
物凄くインパクトがあってというアルバムではない。雲の上をふわふわと歩いてるような感覚のアルバムでいつの間にか終わっている。しかし何故か何回もまた聴いてしまう。ここ2週間くらいこればかり聴いている。他にもいろいろと聴こうと思っている新譜もあるのに。
じっくりとヘッドホンで聴いているととてもすごいアルバムだなと感じてくる。ふんわりとしたボーカルに遠くから響いてくるかのようなけれどサイケデリックなギターに何かを揺さぶられる。
indienativeのサイトに詳しく書かれています。
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Palm 「Rock Island」
The Sea And Cake 「Any Day」
The Sea and Cakeの6年ぶりの新譜。
アップルミュージックで試聴が出来なくてまあいいかと思って試聴せずに買ってしまった。
最初聴いたときなんとなくあれ?なんか地味だなあと思った。こんな感じだっけ?
でも最近聴いてなかったので以前のアルバムに比べてはっきりとは言えないんだけど。
ベースのエリック・クラリッジが抜けてからの3人でのアルバムということも関係しているのか。ベースは「Any Day」に、ザ・ジンクスや、ユーフォンで知られるニック・マクリが参加しているが他はジョン・マッケンタイアがシンセ・ベースを演奏しているらしい。凝った感じではなく淡々とした感じで鳴らされている。
それはサム・プレコップのボーカルもそうでけして熱くならずに歌われている。緻密なドラムとすーっと風のようなボーカル、そして凝っているけれど耳に負担にならないぎたーの音。
物足りないかなと思いながらこんなに繰り返し聴いてしまうのはどうしてなのかな。この淡々とした感じが心地よいからなのだろう。
今回のアルバムについてのインタヴュー
読むとこのアルバムのことがなんとなく理解できる。かも。ジャケットの写真の意味も。
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Any Day(日本先行発売/解説・歌詞・対訳付き)[HEADZ229]
- アーティスト: The Sea and Cake
- 出版社/メーカー: HEADZ
- 発売日: 2018/05/05
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このアルバムで好きなのはイントロ曲の Paper Window ぼんやり聴いてああ気持ちいいなと思う曲を求めてるのかもしれない。それに続く疾走感のあるDay Moonも好きだけれど。
LUMP, Laura Marling & Mike Lindsay 「LUMP」
UKのシンガーソングライター Laura Marling と、プロデューサー Mike Lindsay によるLUMP”のデビューアルバム。
ローラ・マーリングの前作アルバムは昨年良く聴きました。そのローラ・マーリングが新たに組んだユニットということで興味がわいて購入。
1曲目は静かに始まるギターの弾き語り風な曲でこういう感じ好きだなーと思って引き込まれ、こういう感じで進んでいくアルバムなのかなと思って聴き続けたんですが意外にもう2曲目からエレクトロニカな感じに変化。マイク・リンゼイ氏のことは全然知らないのですがtunngというフォークトロニカバンドをやられているみたいで納得。フアナモリーナなどを思い浮かべてみたり。
けれどドラマチックな感じでアルバムは進んでいく。4曲目の「Curse of the Contemporary」はこのアルバムの中でも中心的な曲なんじゃないかなとおもってみたり。
ジャケットのファーは着ぐるみの人だったんですね。MVはこの着ぐるみの人物によるダンスパフォーマンス。
LUMP - Curse of the Contemporary (Official Video)